テムジンは9歳で父親を亡くすが無事成長し、18歳の時、父親の決めていたボルテと結婚する、だが、間もなくメルキト族に襲われて、妻と異母弟ベルグテイの母親を奪われる。
「元朝秘史」では、テムジンがジャムカ、トオリル・カンと共に数万の大軍でメルキトに討ち入り、ボルテを無事連れ戻した、としている。
だが武力を用いれば人質の命が危うくなるのは当然であり、とても史実とは思えない。
「集史」では、ボルテが奪われたことは記しているが、武力行使には触れておらず、ケレイト部族のトオリル・カンに依頼して、
その政治力で取り戻したとしている。これが真実と思われる。
だが、メルキト部族にやられっぱなしでは、テムジン、いやモンゴル部族の沽券に関わる。
報復のために何らかの軍事行動があったとしても不思議ではない。ただ、平和裏にボルテを連れ戻してくれた
トオリル・カンの顔を潰す程のものであってはならない。規模は小さいものだったのではなかろうか。
著書では触れなかった部分なので考えてみた。
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